2008年09月10日

雨つぶのはなし

「雨つぶのはなし」


雨つぶが落ちる
いつの時代も誰かに落ちる


とても温かい人に落ちた時
雨つぶも温かくなった

とても悲しい人に落ちた時
雨つぶも悲しくなった

愛する二人に落ちた時
雨つぶも愛情で包まれた

孤独に怯える人に落ちた時
雨つぶも孤独に震えた


そしてまた空へとのぼり
白い雲となって
世界を眺めている


雨つぶが落ちる
世界の至る所に落ちる

公園で遊ぶ家族に落ちた時
雨つぶも家族になれたような気がした

戦場で死ぬ逝く兵士に落ちた時
雨つぶもいいようのない虚しさを感じた

携帯ゲームを一人で遊ぶ子どもに落ちた時
雨つぶは豊かさとは何かと思い

裸足で外を走り回る子どもたちに落ちた時
雨つぶは貧しさとは何かを思う


希望の命に触れた時は
もう一度、雨となって降りたいと思う
絶望の命に触れた時は
もう一度、雨となるのが怖くなる


どう思っても繰り返される
地面に落ちて
空の青さに憧れて
空にのぼって
白い雲となって
世界を眺めて
また雨となり
命に触れる
posted by のっち at 21:47| Comment(34) | TrackBack(6) | 詩・散文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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