2008年08月04日

散文「ゴミ箱の中の宝物」

完全に趣味の世界なんであしからず。
朝起きたら、むわむわっとイメージが沸いてきた。
こんな感じの絵本を作りたい〜、でも絵がかけない(苦笑)


「ゴミ箱の宝物」

世界のどこかに宝物を探している人がいました
世界中を過酷な旅をして探していました
強い風に吹かれ、冷たい雨に打たれ、旅をしていました

ある時、光を放つ宝箱をみつけました
暗い暗い森の奥で見つけました
きらびやかで輝いていて、美しい宝箱です
きっとこの中に宝物が入っている
そう思いその人は大喜びです
持ってみるととっても重い
どんなに素晴らしい宝物が入っているのだろう
期待は膨らみます
その宝箱を大切に抱えて、家までの遠い道のりを戻りました

長い旅を終え、家に帰りました
さっそく宝箱を開けてみます
どんな宝物が入っているのでしょう
美しい宝箱なので、美しい宝物が入っているに違いありません
おそるおそる、手を伸ばして宝箱を開けてみました

しかし、入っていたものはただのゴミでした
世界中の汚いものが全て集まったかのようなゴミでした
その人は目が丸くなりました
こんなに美しい宝箱の中に、こんなに醜いものが入っているなんて


ゴミの入った宝箱に用はありません
その人はゴミ捨て場に宝箱を捨てに行きました
ゴミ捨て場に投げ捨てるように宝箱を置きました
「なんでこんなものを捜し求めていたんだろう
こんなに重いのに苦労して大事に持ってきたのだろう」
そんなことを思いました


ゴミ捨て場には、いろんなゴミが置いてありました
宝箱もたくさん捨ててありました
それは昔、その人が捨てた宝箱でした
熱い熱い砂漠で見つけた宝箱
寒い寒い雪原で見つけた宝箱
高い高い山の上で見つけた宝箱
深い深い谷の底で見つけた宝箱
どれも美しい宝箱でした
でも、どれも中身はゴミでした

その人はとっても悲しくなりました
苦労して宝箱を見つけても、いつも結果は同じです
どうして宝物を手にすることは出来ないのだろう

どの宝箱も外側だけは、今でもきらびやかに輝いています
その輝きを眺めていました
ふとその中にずいぶん古ぼけたゴミ箱があるのに気がつきました
よく見るとそれは、その人が旅に出る前に捨てたゴミ箱でした
「ずいぶん昔に捨てたのに、なんでまだ残っているのだろう」

そのゴミ箱はボロボロで汚れていて、見ているだけで嫌になりました
「このきれいな宝箱も、そのうちこんなにボロボロになるのだろうな」

なんとなく、ゴミ箱の中に目をやりました
ゴミ箱らしく汚いゴミがたくさん入っていました
「ゴミ箱も宝箱も、同じものが入っているのだねぇ」
どことなく悲しい気持ちで、ゴミ箱から目をそらしました

その人は肩を落として家に帰ろうとしました
すると、近くを通った小さな子どもが指をさして言いました
「あっ、何か光っている」
その人は子どもの指差す方を見ました
それは、昔その人が捨てたゴミ箱でした
よく見ているとゴミ箱の中が一瞬、小さく光ったように見えました
その人はゴミ箱の中をおそるおそるかきわけてみました
ゴミの気味の悪い感触が全身を襲います
でも、その中にはっとする感触がありました
それを思いっきり取り出してみました
なんと、それはその人の探していた宝物だったのです


薄汚れてはいますが、小さく光っていました
その輝きは宝箱の輝きより美しく見えました


その輝きを見ながら宝物のことを考えました
昔はそれが宝物と気がつかずに捨てたのだろうか
ゴミと一緒に間違って捨てたのだろうか
ゴミだったものが、長い時間で知らぬ間に宝物になったのだろうか
長い旅をすることで、宝物の光に気がつけるようになったのだろうか
でも、今となってはどれが正解なのか分かりませんでした

その人は、ゴミ箱のゴミを宝箱に入れました
宝物をゴミ箱の中に入れました
そして、大事そうに宝物の入ったゴミ箱を抱えて、家に帰りました
posted by のっち at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩・散文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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