2007年11月21日

詩の断片「夢の続き」

誰もいない夜の中
夢の続きをなぞってみた
ただひたすらに
自分の感覚だけを頼りにしながら


自分の明日にまだ君がいたあの頃
人を想うことの幸せを感じていた
その気持ちを感じさせていたのは
幻を本物だと思ったからだろうか


幻だと分かっている
答えを知っているのに
心が受けつけてはくれない
どうしようもない気持ちだけが
夜の中を漂う


二度と戻れない時間の中
強がっているばかりで
自分を傷つけるだけだった
だから、もうつながりを求めない
そしてスタートラインに立つ
月明かりがあることを信じながら
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詩の断片「冷たい風が夜をかける」

冷たい風が夜をかける
カサカサと落ち葉が地面を転がる
捨てきれない願いは
枯れ木の先で震えている


傷ついた心に見合うだけの何かを求めて
必死に前を見て走ってきた
でもあの時、自分の目に映っていたもの
それは幻に過ぎないんだ
残ったものはボロボロの心


この心とどこへ行こう?
誰からも愛されないで生きていく覚悟
それでも、愛したい気持ち
矛盾したものを抱えて、死ぬまで生きる


月明かりは雲に隠れている
闇は一段と深まる
静まり返る街
雲の隙間から
小さな星を探していた
posted by のっち at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩・散文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月16日

散文の断片「何もないかのような大地の上で」


殺風景な大地の上を2人の人と1頭の馬が歩いていました。
1人は旅人でもう1人は旅人には見えない人でした。


その2人はこんな会話をしていました。
「私は思うのですが、届かないことを知っているのに、どうして人は誰かを望んでしまうのでしょうか」
「そういう感情がなければ、人間は深く分かり合うことはできませんよ」
「どうせ届かないのに、辛いだけですよ」
「届かないと決め付けることもないのではないですか?」
「そうですね、決め付けることはないですね。でも、少なくともこれまでの私の人生の中で想いが届いたことはありませんでした」
「それは、本当に想いは届かなかったのですか?」
「そうです。届きませんでした。それどころか・・・いえ何でもありません。人間が想い合う可能性なんて限りなくゼロに近いのではないですかね」
「そんな簡単に人は理解し合えませんよ。どんなに想い合っていても、気がつく機会を失えば、想い合うことは永遠に失われますよ。だから、想い合えた時はこの上なく幸せなのですよ」
空には青が広がっています。
怖いくらいの深い深い青でした。
「でも、最後に気がつくのは自分という人間が独りなのだということでした。誰からも愛されても、想われてもいなかったのです」
そんな会話を聞いていて馬は「やれやれ」といった表情をしていました。
「へぇ、悲しい人生だねー。それにしても、なんか陰気な2人だね。馬としても嫌になるよ」
馬はのんきに言いました。

殺風景な大地が続いています。
ここに小さな花でもあれば、世界は違って見えるのかもしれません。
「心の中に大切だと思える人がいれば幸せなことかな。たとえ想いは届かなくても・・・」
独り言なのか小さな声で旅人は言いました。

ひたすらに何もない大地が広がっています。
美しいとも汚いとも、何の感情も沸かないかのような大地でした。

「何もないですね」
「いやー、いつまで続くんだか」
旅の途中で出会った人と馬は言いました。
旅人は一人黙っていました。


しばらく進むと、遠くを見渡せる丘にたどり着きました。
そこから、2人と1頭はその先に広がる大地を眺めました。
夕陽がゆっくりと沈んでいきます。
闇が迫ってきています。
いや、夕陽が闇を連れてきただけかもしれません。

旅人ではない人が口を開きました。
「いつまで何もない大地を歩くのでしょう?」
旅人は答えます。
「その前に、本当に何もないのでしょうか?」
「あたりを見回しても何も見当たりませんよ。人も建物も道すらない」
「・・・そうですね、そういう意味では何もないですね」
最後にそう言うと、旅人は寝床の準備を始めました。
闇は確実に深まっていきました。
posted by のっち at 20:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩・散文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月12日

詩の断片「心の花」

心の中に小さな花が咲いたとして
太陽がなければ色づくことはなく
色のない花が咲くという
周りを見渡せば
色鮮やかな花が咲いている
自分の花には
色があるのか分からない


心の花を咲かし続けたいと願ったとして
太陽がなければ枯れるだけで
静かに消えていくだけ
周りを見渡せば
太陽を浴びて美しく花が咲いている
自分の花には
太陽があるのか分からない


自分の花はいつまで咲いているのだろうか
色もないのに咲いている意味はあるのだろうか
目の前の太陽は自分の花を照らしている訳ではない
そのことを知っているのに
手が届かないのに手を伸ばそうとして
ただ風に花びらが揺れている
posted by のっち at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩・散文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月21日

詩の断片「リスタート」

見上げればそこにあるのは青
立ち上がり空に吸い込まれそう

いつか出会えることを願って
歩きながら待っている
歩きながら探している

重い荷物も今や自分の一部
こいつとも仲良くやってやるさ

太陽に照り付けられ乾いた砂が
風の力で舞い上がる

軽々と風の中を漂う砂も
風が止めば大地の一部

風に舞う砂のように漂うだけの自分も
いつか広大な大地になれるだろうか
その日が来るときには
空は晴れているだろうか

いつ訪れるか分からない未来を
ただ信じることで
大地を踏みしめる力になった気がした
posted by のっち at 18:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩・散文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月10日

散文の断片「降り続く雨」

とある世界では雨が降っています。
どこまで見渡しても何もない草原です。
そこに1つの木があって、その下には1つのテントがありました。
テントの外には馬が一頭おりました。
テントの中から旅人のような人が出てきました。
馬はその人に話しかけました。

「今日も雨だね」
「そうだね、今日も雨だね」
「最近、雨ばかりじゃない?」
「そうだね、旅を続けてからずっと雨ばかり降っていたような気がするよ」
「ふーん。あれ、もう一人は?」
「ああ、寝ているよ」

テントの中には、旅人には見えない人がすやすやと寝ていました。
その人を見ながら、馬はいいました。

「この人はどんな人生を歩んできたのだろうね?」
「さあね、でも何かがあってこの人の人生は壊れてしまったような気がするよ」
「へぇ、人生を壊すものってなんだい?」
「それは、人間だよ」
「ほー、人間って怖いね。人間じゃなくてよかったよ」

雨はザアザア降り続いています。

「君の人生はどうなのだい、壊れてしまったのかい?」
「壊れているのかどうかすら分からないよ」
「それって重症じゃない?」
「さあね、壊れたところで生きていくことはできるさ」
「ふーん、そんな人生はきつくはないのかい?」
「きついだけの人生、それもまた人生さ」
「まったく君って奴は・・・」

テントの中で寝ている人が寝返りをうちました。

「この人はどうして死にたいと思っているのだろう?」
「言葉で全てを説明できるものではないと思うよ」
「じゃ、分からないね」
「それは少し違うよ。言葉を発する側は、自分のことを限られた言葉で伝える。あとは受け取った相手がその言葉でその人のことを想像することによって相手を分かることが大切なのだよ。人間社会で生きていくにはね」
「へー、なんだか分かりにくいけど、旅人の君には必要のないことかもね」
「別になくてもいいけど、あったほうが人間を理解できる。この想像力の欠如がいろんな悲しいことの原因なのさ」

木からは時々、雨の雫が落ちてきます。

「この人は君のことを信頼したようだけど、なんでだろ?」
「それはこっちが聞きたいくらいさ」
「まぁ、疑いながらついてこられても困るけど」
「普通の人間だったら、世界中のだれか一人くらい信じることのできる人間がいないと、生きていくのが嫌になると思うよ」
「別に誰でもいいけど、たまたま目の前にいたのが君だった・・・みたいな?」
「まっ、そんなとこだろうね」
「それって、ずいぶん曲がった見方じゃない?」
「曲がっているのは分かっているよ」
「それにしても、今までいろんな人間に飼われて思ったんだけど、人間ってなんでそんな簡単に裏切ったりするの?」
「裏切って他人を傷つけることよりも、裏切って得られるものの方がその人にとって多いと思えた時、人は裏切るのさ」
「裏切られたほうはたまったもんじゃないね」
「まっ、社会に生きていくのであれば、仕方のないことだよ」
「それでも、人はだれかを信じようとするんだ」
「それは人によるね。強い人間は裏切られても負けないし、弱い人間は自分を守るため誰にも心を開かなくなる」
「心を開かなくなるの?」
「そう、たぶんこの人もそうなんじゃないのかな。何度も理不尽に裏切られていると、次第に信じるという行為が怖くなるのもさ。でも、他人を信じる怖さを乗り越えたとき、本当の強さがうまれるのだと思うよ」
「そんな人に君は信じられてしまったわけだ」
「だから困るんだよ、そんな人の一生に関わるようなことに責任持てないよ。たまたま旅の途中で出会った人に対して」
「何気にひどいこと言うね。まっ、それも人生なのではないかい?」
「うまくいかないものだね。生きていくと負担ばかりが増えていく・・・。いや、そんな考え方じゃだめだな。人との出会いはかけがいのないことだから、きっと何か自分の力になると信じたい。それにしても、そろそろまともな人生を歩みたいもんだ」
「君にまともな人生は似合わないよ」
「それはどういう意味だい?」
「今までずいぶんひどい目にあったりないがしろにされた君の人生さ。そういう意味でせっかくいろんな経験をしたんだから、まともな人生を歩んじゃもったいない」
「誰だっていろんな経験をしているさ。自分だけが特別だなんてみじんも思っちゃいない・・・」
「まぁ、馬の目から見た参考適度にとどめてくださいな」

テントで寝ていた人が目を覚ましたようです。
身体を起こしてテントの外に出ました。

「やや、これは旅人さんと馬さん。おはようございます」
「おはようございます」
「おはよう」
「今日もひどい雨ですね」
「そうですね、雨ですね」
「いやー、最近雨ばっかだね」
「この雨はいつまで降り続けるのでしょう?」
「きっと太陽が出たらやみますよ」
「ははは、旅人さんらしい言葉ですね」
「ねぇねぇ、この雨の中出発するの?たまには休みにしようよ」
「雨の中でも出発するよ。君には期待しているよ」
「まったく、馬使いの荒いこと」

雨の降る中、2人と1頭は出発の準備を始めました。
雨がいつやむのか分からぬまま、旅を続けるのでした。
posted by のっち at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩・散文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月05日

詩の断片「遠い月」

草むらから見えるは月明かり
遥か遠くからの静かな光
真夜中の目は幻想
届きそうで
手を伸ばして
つかんでみても何もなく
手のひらは傷だらけで
月明かりが冷たくしみる

光は遠のいていく
こんな夜は何をしよう?
一人分からず途方に暮れる
ただ眠りを待つだけ
気がつけば光を失ったように
気がつけば朝になるのだろうか?

朝が来るまでできること
やらなければならないこと
考えなければならないこと
それらをやれば
気がつくと朝になっているさ
気分よく光を迎えられるように
闇から逃げはしない
今を捨てはしない
そうできればいい
そして、そうしたい
posted by のっち at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩・散文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月03日

詩の断片「古びた神社」

行くあても無く電車に乗る
窓の外をぼんやりと眺めている

自転車で走っている子供が見える
公園のベンチに座っている老人が見える
広場で遊んでいる親子が見える
空は太陽が輝いて、どこまでも青い

この電車はどこに向かうのだろう?
どこにも向かっていないのかもしれない
でも、どこかでは降りなければならない
降りる場所は自分で決めなければならない
それは当たり前のこと

とある駅で降りてみる
何があるのか分からない
何があるのか分からないから降りてみる
何かは自分で見つけるんだ

見知らぬ駅、見知らぬ町並み
ただ、感覚だけを頼りに歩いてみる
いろんな店があって、いろんな建物があって、いろんな人を通り過ぎていく
狭い道を入っていって、人の姿は見えなくなって、車の音も聞こえなくなる

薄暗い階段が目に入った
周りは木々に囲まれていて、太陽の光が届かない
そこを登っていくと、古びた神社があった
いったいどのくらい昔からあるのだろう?
どのくらいの人が、この神社を訪れたのだろう?
その人は喜びに満ちていたのだろうか、悲しみに暮れていたのだろうか?
ただ静かな空間で、昔から変わらない空気を感じた。

自分は目をつぶって、思い浮かべてみる
違う時代にこの神社を訪れた人、その人と同じ空間に自分は立つ
その中には、この世にもう存在していない人も多いだろう
でも、その人の訪れた神社はまだこの世界に存在している
自分の目の前に存在している
どこかで鳥が静かに鳴いていた

神社に背を向けて、階段を降りていく
その一歩一歩は確かなもの
この世界に自分が存在していること
それは確かなことなんだ

階段を降りきって、そこに道がいくつかある
どこの町かも分からないのに、どの道に何があるのか分からない
でも、自分の選んだ道を胸を張って歩く
その道で目に見えるものを、その道の喜びを、その道の悲しみを精一杯感じていく
そして、間違っていると気がついたときには、立ち止まり、引く勇気を持つ
それが生きていくことなんだと感じた
posted by のっち at 16:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩・散文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月20日

散文の断片「最後の始まり」

世界のどこかで、2人の人と1頭の馬が野宿をしていました。
1人は旅人で、もう1人はその地域の人間のように見えました。
夜空には星が顔を出しています。

2人は会話をしていました。
「星がきれいですね」
「ええ、星がきれいですね」

旅人に向かって、もう一人の人は言いました。
「あなたは荷物を私に任せてくれましたね。私を信じてくれたのですか」
「いえ、信じてもいませんし、疑ってもいませんでした」
「そうですか・・・、そうですよね」
「あまり人を信用して生きていないので」
旅人はこう答えました。
「性格が悪いんだよ。気にしないでね」
馬が言いました。

「私にも分かりますよ。裏切られるのが当たり前、人はいつか裏切るもの。
私はそう自分にそう言い聞かせることで、でたらめな毎日をなんとか乗り切ってきました。
・・・そして、そう考えている自分は醜いと思いました」
その人は吐き捨てるように言いました。

「そう生きていたんじゃ、死にたくもなるね」
と、その言葉に対して馬は言いました。
すると、
「相手にとって私はなんでもない存在なんです。なんだか不思議ですね。私にとって相手は特別な存在なのに、相手にとっての私は存在していないに等しいなんてね。
家族も友達も好きな人も、みんな同じでした。相手にとって私はなんでも無い存在、すぐに忘れ去られる存在でした」
とその人は言いました。
旅人は、
「人間関係なんて、そんなもんですよ。相手に望みすぎる方がいけないんです」
と答えました。
「今日は何時にも増して、言いますな。それも理解しがたい内容で」
馬はぼそっと言いました。


「人は思うように生きることが出来ない時、周りに誰もいなければ孤独になるのだと思います。
私の場合、誰からも愛されないまま人生は終わっていくんです。これは決定事項でしょう」
旅人に向かって投げ捨てるように言いました。
「決定事項か分かりませんが、そう簡単に誰かから愛されるようなものではないですよ。一生で一人でもいれば幸福です」
と、旅人は言いました。

「ところで、旅人さんはなぜ旅をしているのですか」
「何もいらないから旅をしているんです。ただそれだけです。人も物も何も望んではいません」
「何もいらない?」
「そうです。何もいりません。だからいつ死んでも構わないのです。精一杯生きることが出来れば、長生きする必要はありません」

何もない草原は静かです。
3っつの命以外、何も存在していないかのようでした。

「・・・あなたを信じてみようと思います」
「・・・はい??」
「これが最後だと思います。人を信じるのは」
旅人はやれやれ、といった表情をしていました。
相手からは暗くて見えていません。
「ねぇねぇ、これを最後にするの。やめた方がいいよ、ちゃんと相手を選んだほうがいいよ」
馬はしきりに言っています。

星は小さく輝いていました。
それは、優しい光なのか、冷たい光なのか、誰にも分かりませんでした。
posted by のっち at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月18日

詩の断片「無題」

夜風は静か
望みはかなわなくても
安らかな夜
人々は寝静まり
僕は孤独に漂う

分からない
分からないのは不安
知りたい
もっと知りたい
でも、知ることで傷がつく
そうやって夜はやってくる
安らかな夜がやってくる

今にも消えそうな声
今にも消えそうな感情
それらをつなぎとめて
それらを集めて
夜風に乗せて
星の輝く夜空に
飛ばしたい
posted by のっち at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩・散文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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